足のお悩み百科

子供の足のトラブル

この記事の監修者

株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士

靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会

子どもの足はどんどん大きくなる

子どもの足のトラブルは、親の間違った靴選びが原因となるケースが多いので注意が必要です。
子どもの足は年間1cm成長します。そのため半年ごとに成長に合わせた靴に買い替える必要があるですが、親としては「少しでも長い期間履かせたい」「できるだけ安く済ませたい」という気持ちがあるようです。

実際、日本学校保健会「児童生徒の足に関する実態調査」によると、約7割以上の子どもが、大きめの靴を履き、適正サイズの靴を履く子どもは全体の2割以下となっています。また、2cm以上大きい靴を履く子どもの約半数は足のトラブルを抱えています。これら足のトラブルは、主に親指や小指の曲がり、爪の痛み、まめ、靴擦れ、踵痛、膝痛で、改善に長期間を要するものもあります。

子どもの靴のサイズはどんなものを選んでいますか? 大きめの靴70.3% ぴったりの靴19.5% 小さめの靴10.2% 日本学校保健会より

靴は衣服と違い、大きすぎたり、小さすぎたりすると健康に悪影響を及ぼします。正しい知識を持って、子どもの足をトラブルから守って頂くために、子どもの靴選びでやってはいけない五箇条をまとめてみました。
今回は特に成長期にあたる小学生から中学生の足が対象です。

子どもの靴選びでやってはいけない5ヵ条

その1 ついつい1サイズ大き目の靴を選んでしまう。


最も多い間違いですが、専門家による調査結果にもあるように、大き目の靴はトラブルの元です。
大きめの靴だと中で足が動いてしまい、脱げないように無意識に足指を曲げて踏ん張ります。常に足指に力が入っていることは大きな疲労となります。また、正しい歩き方ができなくなり、足の健全な発育に悪影響(扁平足など)を及ぼします。靴擦れ、タコばかりでなく転倒~怪我の原因にもなります。

その2 靴がきつくなっているのに子どもが気づかない。


子どもは「靴がきつくなれば自分でいうだろう」と親は思っていますが、順応性が高いこともあり、平気で小さいまま履いている事が多々あります。この状態が続くと、母趾が圧迫されて外反母趾の原因となったり、爪のトラブルを引き起こしたりします。

その3 おさがりで間にあわせてしまう。


おさがりの靴は見た目以上に靴の内部が傷んでいます。かかとの芯がくたびれていたりすると、踵がしっかりホールドされませんし、中敷きがへたってしまっていると、足の骨格を十分支える事ができません。さらに、靴底が片減りしている靴を履いていると、外反足・内反足(足首の歪み)になりやすくなります。

その4 ブーツやヒール等のお洒落靴を履かせる。

ヒールが高い靴、底が硬くて曲がらない靴、つま先の細い靴、厚底靴等は、成人が履いてもトラブルを起こしやすい靴です。このような靴を成長期の子どもが履くことは、正常な足の成長を阻害するばかりか、外反母趾や、足裏の痛みの原因となります。また、学校で指定された靴が足に合わない場合は、インソール等を使って、できるだけ足に負担のかからないように調整することが必要です。

その5 競技用シューズを普段靴にしてしまう。

サッカー等の競技用シューズ、トレーニングシューズは、あくまで運動用ですので、柔軟性やクッション性が十分でない物も多くあります。試合や練習等の限られた時間であれば問題ありませんが、通学用に長時間履き続けていると、かかとが痛くなったり、足指の変形の原因になったりします。

子ども靴の正しい選び方

それでは、どんな点に注意して靴選びをすればいいのでしょうか。

適正なサイズ~靴の幅が合っている。

圧迫感が無く、前後左右に足がずれない。靴の幅はワイズともいわれ、靴の種類やメーカーによってそれぞれ特徴がありますが、子ども靴だからといって幅広が良いわけではありません。重要なのは子どもの足幅に合っているかどうかという点です。スニーカーでいうと、ナイキやプーマは平均的に細め、アシックスやミズノ、ニューバランスは平均的に広めです。

かかとにしっかりとしたカウンター(芯)が入っている。


カウンターの役割は、発育過程の足には特に重要で、かかとを安定させる事で正しい歩行に導き、姿勢を正しく維持します。この部分が柔らかい靴はNGです。またかかとを踏んで履くことは、このパーツを壊してしまい靴の機能を半減させることになります。

つま先が曲がりやすい。


指の付け根の関節の位置で曲がることが大切です。
学校の上履きのように真中で曲がってしまうようなものは、NGです。

中敷きの土踏まず部分にアーチのサポートがついている。


これがないと足が悪くなるということはありませんが、正常な足の発育には非常に効果的な機能です。

履き口の生地が柔らかい。

くるぶしが大きい、くるぶしの位置が低い場合、この部分の生地が硬いと靴擦れしやすくなります。さらに、ソール(靴底)は適度な厚みがあり、クッションがしっかりしているものが望ましいです。

最後に

正しい靴選びをしても、正しい履き方をしなければ何もなりません。
かかとを踏んで履く事は、靴の寿命を縮めます。また、よく見られるのが、靴紐を緩めにして紐を結んだまま脱ぎ履きをしてしまう履き方です。これは親の影響もあるようです。親がそうしているからと言う子どもも少なくありません!
まずは、親が正しい靴の履き方の見本をしめす。これこそが大事なのではないでしょうか。

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