足裏痛対処法~旅先で足裏が痛くなったら~
この記事の監修者
株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士
靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会
旅行先でのトラブルNo.1
旅行に出かける際、旅行先にあわせた新しい靴を購入される方も多いと思いますが、旅先でのトラブルNo.1は足の痛みや疲れが圧倒的に多く、合わない靴で楽しい気分も半減という経験をされた方も多いはず。そこで今回は、旅行先で多いトラブルや対処法、予防策をご紹介いたします。
まずは、旅行の前に
本当は、旅行に行くときは履きなれた靴でいくのが一番です。長時間歩いたり、行列に並んだり、階段の登り降りなど、いつも以上に足を使います。普段履いてて一番楽だなというものを選ぶのが良いのですが、特に海外の場合は、ドレスコードが気になったり、リゾート感を損ないたくないなど、新調したくなるのも良くわかります。
そこで、靴を新調する前に、現地の人や他の旅行者が、どのような服装・履き物で歩いているか、SNSやWebで調べてみましょう。観光先やレストラン・ホテルの下見もかねて見てみると、意外なことに気づくはずです。
- 思ったよりも、道が良くない
- 階段が多い
- 意外とドレスコードを気にしなくても大丈夫(逆に、かなりフォーマルな場合も)
- 脱ぎ履きが多い(特に、国内の場合
- かなり凸凹した石畳の街 など。
昔、インドの泥濘(ぬかるみ)や富士山6合目を悲鳴を上げながらミュールで歩いている人を見たことがあります。私自身も神戸の街を革靴でぐるぐる回り、絆創膏とスニーカーを買ってしまった経験があります…下調べは大事です。
! 靴を新調したら
事前に、新しい靴を半日~1日履いてみましょう。これだけでも十分起こりそうなトラブルが予測でき、準備に役立つと思います。
新調する際におすすめなもの
●スニーカーのような、ヒールの低い靴の場合
1. クッション性が高い
2. 実際に感じるヒールの高さが20~30mm
3. アーチをサポートするインソール
4. 省エネ歩行できるロッカー(船底)ソール
このようなものをお勧めします。フラットシューズなどは、移動中の車内・機内用としてなら良いと思いますが、靴底が薄いので、長時間歩くと足裏の痛みの原因となることがあります。
●パンプス・ミュールの場合
1. ベルトやストラップのついているもの
2. ヒール高は4cm程度まで
3. ヒールが太く、安定しているもの(直径で3cm以上が理想)
4. 前足部の靴底が薄すぎないもの
5. ある程度屈曲性のあるもの
これらを目安に靴を選びましょう。ただし、都市によっては凹凸の激しい石畳や階段の多い街がありますので気を付けてください。
※ドレスコードに対する対策のみであれば、存分におしゃれを楽しんでください。
また、どのタイプの靴にも言えることですが、脱ぎ履きのしやすい靴を選びましょう。
旅行先で起こりがちなトラブル
靴ズレ
新調したてのパンプスの場合は特に多いのですが、踵(かかと)や踝(くるぶし)の靴ズレや親指小指の側面の皮むけなどは、圧迫と摩擦が原因です。旅行中、靴ズレしそうだな…と感じたら、その部位にハンドクリームなど滑るものを塗ると、ある程度予防できます。また、踝(くるぶし)の場合は、踵(かかと)の下に厚さ2~3mmのものを1枚敷いてあげるだけで改善することがあります。(折りたたんだポケットティッシュでも何でもいいです。)
また、少し厚手のフットカバーがあれば、靴のあたり方が柔らかくなるので1枚用意しておくといいでしょう。
気づいたら靴ズレしてしまっていたという場合は、もう絆創膏を貼るしかないのですが、履いた時に違和感があるようでしたら、まずはハンドクリームで滑りを良くする方法を試してみてください。
足裏の痛み
旅行中、長時間歩くことで、足底筋膜炎や中足骨骨頭痛になることがあります。普段からお悩みの方は愛用のパットやハーフインソールなどを旅行にお持ちいただければいいのですが、急に痛くなってしまうこともよくあります。そこで、このような足裏痛のリスクを抑えつつ、履き心地をアップさせる応急策として、土踏まずと横アーチがしっかりついた、パンプス用のハーフインソールをお勧めします。スニーカーやフラットパンプスに使用する場合は、少しサポートが足りないのですが、パンプスやヒールの低いもの、ブーツなどに使いまわしが可能です。痛みも軽減するので重宝しますし、踝(くるぶし)の靴ズレ防止にも効果的です。
スニーカー用のものはパンプスで使えない場合があるので、使い回しを考慮するのであれば、パンプス用のハーフインソールをご用意ください。
エコノミークラス症候群
以前も取り上げましたが、エコノミー症候群は、窮屈な場所(姿勢)に長時間さらされると、血液中の粘度が上がり、血栓ができ、その血栓が血液中を流れ肺動脈につまって失神・ショックを起こし、ときには死に至るものです。発症してからでは遅いので、予防することが最善の対策です。
予防策
- こまめな水分補給
- 下肢・足部のマッサージやストレッチ
- すぐ立って歩けるような通路側に座る
また、着圧ソックスを履くのも効果的です。着圧ソックスは、むくみ予防にも効果がありますので試してみてください。ただし、着圧ソックスとタイトなロングブーツを併用すると、締め付けすぎることになります。逆に血流が阻害される恐れがあるので、ブーツと併用する場合は、ストレッチ性のあるショートブーツが良いでしょう。
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