よくあるその足裏の痛みの正体は?
この記事の監修者
株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士
靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会
原因のわからない足裏の痛み。その正体は?
たとえば、「朝起きて立つと、土踏まずや、かかとが痛い。」
「歩くと足指の付け根がじんじんする。」
自分でも原因に心当たりがないためかよけいに気になります。
病院でも、はっきりとした原因が分からないケースもあるようです。
では、あなたの痛みの原因は?
あなたの足裏の痛みを診断
痛い場所と、症状でわかるあなたの足トラブル
足裏の痛みを大まかに分類すると
- 土踏まずが痛いのは偏平足
- 足裏が痛い(土踏まずから踵にかけて)のは足底筋膜炎
- 指の付け根に「ジンジン」とした痛みがあるのは中足骨骨頭痛
- 指と指の付け根の間に「ビリッ」とした痛みがあるのはモートン病
あなたの痛い箇所はどこ?痛みの原因チェック
あなたの痛みの原因がわかったら、4つの症状を詳しく解説していきましょう。
土踏まずが疲れる・痛い
「偏平足」
いわゆる土踏まずが無い状態。正確にはアーチ形状をした骨格構造の崩れ。
身体を支える基本構造でもありますから、足裏だけでなく腰や膝などにも影響を及ぼすおそれがあります。中高年以降の偏平足は、さまざまなトラブルの原因となります。骨格ができあがる成人するまでの間にきちんと予防することが大切です。
偏平足の見分け方
土踏まずが無ければ直ちに偏平足という事ではありません。日頃からスポーツをやっている人には、足裏の筋肉が発達していて、一見土踏まずが無いように見える場合もあります。以下の手順で偏平足かどうかを判断することができます。
①こぶし1つ分(10㎝程)あけて立つ
両足に均等に体重をかけて、正面を見ます。
②舟状骨の位置を確認
舟状骨はくるぶし下のつま先よりの位置にあります。
親指の腹で下からすくうように確認します。でっぱった骨が舟状骨です。
③舟状骨の高さを測定
位置が確認できたら親指をそのまま地面に垂直に立て、舟状骨までの高さを測定します。
※高さが3㎝以下の方は偏平足です。
こんな時に痛い!人も、偏平足の可能性があります。
- 長く立っていたり、歩いていたりすると土踏まずが痛くなる。
- 「土踏まずがサポートされた靴」を履いているのに、逆に土踏まずが痛くなる。
原因は筋肉の衰え。では、その要因は?
運動不足
運動をしない、歩かない、仕事はデスクワークといった人は要注意です。
一般に、社会人になると運動をする機会が減り、さらに中高年になると歩く量も減ってきます。
使わないことで足裏の筋肉が衰えると足の骨格を支える力が弱くなり、アーチが崩れ偏平足になっていきます。
ヒールやパンプスは要注意
ヒールのあるパンプスやサンダル、ブーツをいつも履いている人、スニーカーの紐を緩めて履いている人、内股で歩幅が狭い歩き方をする人。
足裏の筋肉は足指でしっかり蹴る動作によって鍛えられますが、このような人は、足指でしっかり蹴って歩くことができませんので、足裏の筋肉が衰えてきます。
痛みの解消/症状の改善ポイント
インソールを使用すると痛みは改善します。
予防対策は偏平足と開帳足についてのエントリーをご参考ください。
足裏が痛い(土踏まずから踵にかけて)最も多い痛み「足底筋膜炎」
足底筋膜炎とは
踵から足指の付け根にある足底筋膜(筋肉などを包んでいる鞘のような組織)が、炎症を起こして痛みを発生する症状。
足底筋膜炎の見分け方
朝起きて、足をついた時に痛い
ベッドから目覚めた最初の一歩が痛みます。
ただし、短時間で痛みが消える事も多いため非常に気付きにくい場合が多いです。
かかとが地面に着いた時に痛い
歩行時にかかとが着地した瞬間にチクっとした痛みが走ります。
かかとの内側を押すと痛い
写真のオレンジ色の周辺を指で押すと痛みます。
歩行や運動をすると痛い
特に走ったりジャンプしたり、激しい運動をした際に痛むことが多いです。
原因は足底への過度な負担。思い当たる要因は?
スポーツで酷使
マラソンやサッカーなどの足を酷使する競技。
中年以降の方は、ゴルフ、ジョギング、登山などで痛くなるケースも多い。
長時間の立ち仕事
特にパンプスや長靴、安全靴のように足裏に負担の掛かりやすい靴を履く職業に多い。
足に負担のかかる靴
ヒールの高い靴は、土踏まずにすき間が空き、足底筋膜に負担がかかりやすい。
偏平足
偏平足は、足の骨格が崩れた状態ですので、足底筋膜に負担がかかりやすくなっています。
痛みの解消/症状の改善ポイント
予防対策は足底筋膜炎についてのエントリーをご参考ください。
指の付け根が痛いのは「中足骨骨頭痛」
中足骨骨頭痛とは
ヒールを履いている人のほとんどが経験する痛みです。
「中足骨骨頭痛」という名称は耳慣れないと思いますが、長時間歩くとジワジワと足指の付け根の真中あたりが痛くなってきます。また、同様の場所にタコができやすくなります。
中足骨骨頭痛の見分け方
- 足指の付け根の真中にタコができ、その周辺が痛くなる。
- 最初は違和感を感じる程度だが、徐々に痛みが強くなる。
- 腫れなど、見た目に分かる特徴は無い。
- つま先立ちすると痛い。
原因は指の付け根への負担。思い当たる要因は?
ヒールの高い靴
高いヒールのパンプスやサンダルを常日頃履いている人の殆どは、このトラブルになります。
ヒールが高い程、足指の付け根にかかる荷重は増え、10cmのヒールだと、足指の付け根にかかる負担は全体の90%になります。
通勤、通学、仕事の関係で歩く量が増えた
パンプスやローファー等の靴は、底が硬く足裏を路面から守るクッションがありません。
歩く時間や距離が長くなると、負担が一気に増し、炎症を起し痛くなります。
フローリングの上を素足で歩いている
新居への引っ越し等で、硬いフローリングの上をスリッパ無しで歩き回ると、痛めることが良くあります。
外反母趾
外反母趾の人のほとんどはこのトラブルを併発しています。外反母趾による痛みと思っている人が多いと思いますが、別のトラブルです。外反母趾を完全に治す事ができなくても、中足骨骨頭痛の痛みを緩和することは可能です。
放置しておくとどうなるのか
中足骨骨頭痛の原因としては横アーチの低下が挙げられます。
横アーチの低下は、前足部の疾患の多くに起因するため、放っておくと外反母趾や内反小趾、開帳足、前足部裏側のタコ・魚の目なども悪化させる原因となります。
中足骨頭痛は横アーチが低下しているサインとも言えるので、これ以上悪化させないための予防策として、横アーチサポートが搭載されたインソールや機能的な靴を履くことをおすすめします。
痛みの解消/症状の改善ポイント
予防対策は中足骨骨頭痛についてのエントリーをご参考ください。
足指の間の神経に触るような痛みを感じたら「モートン病」
モートン病とは
圧迫されることによって、足指の骨の間にできる神経のこぶのようなものが、歩くことでさらに圧迫されて痛むようになります。
主に中指と薬指の間と、人差し指と中指の間が痛くなります。
トーマス・モートンという人が発見したことからこの名で呼ばれています。
モートン病の見分け方
- 靴を履かず、足に何の圧力もかかってない時は痛くない。
- 歩行中の踏み返し時に(つま先に体重が移動して蹴り出す動作)に痛みやしびれが生じる。
- 歩いていてしばらくすると痛みやしびれが出る。
- 足裏の痛みの中には、一定期間、足裏に負担をかけず安静にしていることで、痛みが治まる場合もありますが、モートン病の場合は痛みが継続します。
- 足裏の図の位置を押すと痛い。
原因は神経の圧迫。思い当たる要因は?
幅の狭い靴や過度の衝撃によって指の付け根が圧迫され続けることにより、指と指の間の神経がこぶ状に肥大します。これをさらに圧迫することで痛みが生じてしまいます。
幅の狭い靴、ヒールの高い靴
幅の狭い靴を履くと、足指の骨の間にある神経のこぶが圧迫されて炎症を起しやすくなります。また、ヒールの高い靴を履く場合、この位置にかかる荷重が大きくなり炎症を起しやすくなります。
開張足
アーチの崩れは、運動不足の人や年配の人に多く見られますが、この足の横アーチが崩れると体重がかかった時に、神経のこぶが押しつぶされるような状態となり痛みを引き起こします。
ランニングや長距離の歩行
ランニングのように常に足指の付け根に衝撃を受けるような運動や、旅行等での歩き過ぎがきっかけとなって足裏に炎症を起こし、炎症により腫れが神経のこぶを圧迫して痛みを引き起こす場合もあります。
痛みの解消/症状の改善ポイント
足のアーチを支えるインソールや、靴にパットを貼付けることで、体重のかかる位置を調整します。
予防対策はモートン病についてのエントリーをご参考ください。
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