足のお悩み百科

靴の寿命と買い替えのタイミング

この記事の監修者

株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士

靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会

皆さん靴の買い替えどきをご存知ですか?
今回は靴の寿命や買い替えどき、また、靴の寿命を伸ばす方法などをご紹介したいと思います。

なぜ買い替えが必要か / 靴の性能

そもそも靴の替え時と言いますが、では、古い靴を履いていてどんな問題があるでしょう?
見た目の問題もありますが、膝や姿勢、骨格などに悪い影響を与えることがあります。また、靴のメンテナンスを怠ると足部の疾患などを引き起こしてしまうことも考えられます。

新品の靴と履き古した靴では具体的に何が違うでしょうか?

まず一般的に言われる典型的な例としてかかとのすり減りがあります。
これはもうご存知のことも多いと思いますが踵がすり減った靴を履いていると O脚に誘導されてしまったり膝の痛みを生じたりということもあります。踵の外側が削れることによって、ひざ関節も外側に誘導する方向へ力がかかってしまうとこが原因です。

もう一つは、履き始めた頃にはちょうどいいフィット感だった靴が、段々ゆったりとしてきて、最後には紐を締めてもしっかりとフィットさせることができない「大きめのゆったり靴」になってしまいます。そういった靴を長時間履いていると足底筋膜炎扁平足の原因になることもあります。

もう閉めても締め切りないぐらいまで、ゆったりとしてきたらさすがに買い替え時ということです。

また、スポーツをしている方は特に注意が必要です。ランニングシューズなどのアウトソールは長期間使用すると、弾力性いわゆるクッション性が低下して膝に負担を与えることになります。

ちなみに新品の靴と履き古した靴では若干重さが違います。履き古した靴では水分やホコリ、汚れなどごくわずかですが重くなっています。まあ、これはそれほど気にすることではありませんが、「1秒でもタイムを縮めたい!!」って人には大切な要素です。

夏に履くサンダルなども長年履いていると中敷きの表面がツルツルしてきたりすることがあると思いますが、これは足の角質が表面にびっしりこびりついている状況ですので通気性が悪くなったり白癬菌などの温床になっていることもありますので注意が必要です。

後は、匂いですね。洗っても臭いが取れなくなっているような靴はもちろん買い替えが必要です臭いの原因は靴の中にある菌が原因となっておりますので「匂い」=「菌」というふうに考えると買い替えたくなりますよね。

寿命の見分け方

紳士革靴とパンプス

共通しているのはヒールの部分のリフトが削れてヒール材まで達しそうになったらリフトの交換が必要です。ヒールの交換できるものは交換した後引き続きそのまま使えます。しかしヒールが交換できないものに関しては寿命と考えて頂いた方がいいと思います。

またヒールは、交換することでそのまま使いますが、アッパーが緩くなり紐が締切れないきれないほどゆったりしてきた(革靴)、段々前滑りするぐらいゆったりとしてきた(パンプス)場合は、買い替えどきです。

スニーカーやランニングシューズ

スニーカーやランニングシューズなどは、同じくヒールのラバー部分がミッドソールのEVAに達した段階で寿命と言えます。

またこれは分かりにくいのですが、ミッドソールの EVA 部分がへたってきたら寿命と言っていいでしょう。目安としては、
各メーカーさんが推奨をする走行距離は大体4~500kmとしているところが多いです。1日5キロぐらい走る習慣のある人は3ヶ月ちょっとで寿命が来るということになります。こう数字にしてみると意外と短いですね。

私の経験上、500 kmではラバー部分はまだ十分に残っていて、一見まだまだ使えそうに見えます。しかしこういった靴でフルマラソンをするなど、過酷な状況に追い込めば追い込むほど怪我をするリスクが高くなるので、少なくてもランニング用として使用するのは控えたほうがいいと思います。

また、ランニングシューズに限らず最近の歩きやすさに特化したビジネスシューズなどはスニーカーと同じ構造をしておりますので、同じく、4~500kmを目安とした方がいいと思います。

靴の寿命を延ばすには

  1. ローテーションで履く
  2. 風通しがよく、湿気が少ないところで保管する
  3. こまめにお手入れしてあげる

この3つが長持ちの基本です。

まず、同じ靴を毎日履くのではなく、3足くらいをローテーションで使いまわしながら、風通しの良いところに陰干しします。1日履いた後のたっぷりと湿気が吸収された、革やライニング材の水分を蒸発させてあげます。
本格的なお手入れは、3週間に一度くらいでいいと思います。

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