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Ⅰ．良い靴選びは良い靴屋選びから

「靴屋選び」してますか？

良い靴屋さんの基準は、価格？ 品揃え？　丁寧なフィッティング？
いろいろあると思いますが、靴選びに苦労している皆さんにとっては、「最適な靴を選んでくれる」店ですよね。

それはどんな店かというと、

良い靴屋さんの条件

1. 納得いくまで十分、試履きやフィッティングをさせてくれる。
2. フィッティング調整するための道具や材料がそろっている。
3. ゆっくりと試履きできる空間があり、店内を歩き回ることができる。
4. 悩みをちゃんと聞いてくれて、あなたの足の状態をしっかり説明してくれる。
5. 色々な悩みに対応できるようなラインナップがそろっている。
6. 購入後もフィッティング調整を行ってくれる。

個人的には、面倒がらずに色々な靴を試させてくれ、かつ、合わない靴を無理に進めない靴屋をおすすめします！

上級シューフッターがこっそり教える　靴選びのコツ

フィッティングさせてくれない、試しばきさせてくれない店は、論外ですが。
フィッティングやサイズ調整はどの靴屋さんでも、基本的な部分では共通しています。

• 大きければパットやインソールなどで前滑りやかかとの上を防ぐような調整を行い、
• 小さければある程度革を伸ばしてなじませるなどして、最適な状態に調整します。

ここで気をつけたい靴屋さんのあのフレーズ！
「そのうち革がなじんで柔らかくなって、痛くなくなりますよ。」

少しの窮屈感や硬さなどを訴えた時に「革がなじめば、そのうち柔らかくなる」というような説明をされてなんとなく納得したことありませんか？
しかし、なじむ前にその靴を履くのが嫌になってしまうことが多いので、この一言にごまかされないで。ちゃんと、ストレッチャーで皮を伸ばしたりして、痛くないよう調整してもらってください。

確かに、履きながらなじませて、本人の足に合わせるのが本来の革靴の履き方ですが、それは玄人目線の考え方でもあります。
履きたいときに時に履きたい靴を履く！というユーザビリティを考えるとこういった考え方は現代にはなじまないように思います。

それともう一つ。フィッティング調整をサービスとして行なっていない靴屋さんでは、あなたに合った最適な靴を見つけることができないと思います。
なぜなら、皆さんの足の形は千差万別です。既成の靴でマッチするものを選ぶということはほぼ不可能に近く、必ず何かしらの調整が必要になると思います。特にパンプス・まずブーツなどは調整をしてください。

アフターサービスしてくれる靴屋さんですか？

パンプス等の革靴は購入した時と履き慣れてきた時では状態が異なります。
だからこそ、履き慣れてきた時に再度フィッティング調整を行ってくれる靴屋をおすすめします。
「最初は良かったんだけど、最近、つま先がきつく、踵が脱げるようになってきた…」
これは恐らく、ボールガースが緩くなり、前滑りしている状態なので、甲回りパットや中敷きで再調整できます。

そこで、シューフィッターがいるお店がおすすめ

これらの微調整やフィッティングを専門に行っているのがシューフィッターと呼ばれる人達です。
つまりは、良い靴屋さんの条件の①②④⑥を行うプロフェッショナルなので、足に悩みがある方、靴選びに不安がある方は、ぜひ、シューフィッターがいるお店で相談してみてください。

Ⅱ.シューフィッターって？

シューフィッターとは、足に関する基礎知識と靴のフィッティングの技術を習得し
足の疾病予防の観点から、お客さまの足に正しくあった靴を提案する専門家のことです。

そう！シューフィッターは足と靴のコンシェルジュです。

具体的な技能としては足のサイズ計測も含めたお客様の足に関する情報を正確に把握。
また、フィッティングしようとする靴の製法、特徴、内容を正しく評価します。
フィッティングにおいて足と靴の間に若干のズレを認めた場合はバッドやインソールなどを使ってフィット感を高めるため靴内に微調整を施します。履いて一定期間をすぎた場合、必要に応じてアフターケアも行います。

また、既成靴では正しく合わせるのが難しいと判断した場合は、医師と連携を取るなどして治療靴業者に委ねることもあります。

簡単に言うとお客様の足の状態を調べ、それに合った最適な靴を選び、さらに正しく合わせるために微調整をすることが主な仕事になります。
（足と靴と健康協議会HPより）

シューフィッターのできること。

シューフィッターは医療従事者ではないので、できることに限界がありますか、例えば外反母趾の人でも履きやすい、モートンの人でも履きやすい靴のご提案や、医療行為に抵触しない範囲でのアドバイスや調整は可能です。

逆に言えば、これを履くことによって外反母趾が治る膝の痛みが治るということを謳っているような靴屋さん・シューフィッターさんには、注意が必要です。(それは違法です！)

シューフィッターに大切なのは、知識と、そして、経験！

シューフィッターにはプライマリー(初級)、バチェラー(上級)、マスター(修士)があり、すすむにつれ、より高度な知識と経験が求められます。

しかし、バチュラーでもプライマリーでも、経験は非常に大切。足の状態と靴を見極めた上で最適なフィッティングを短時間で行うためにはやはりそれなりのスキルと経験が必要です。

私もお店に立ち始めた頃は微妙な調整を何度も繰り返し、その一生懸命な対応ぶりにほだされたお客様がお買い上げくださることもありました。問題なければ良いとは思いますが、その一生懸命さというのは裏を返すとスムーズではない接客だと、反省もいたしました。

色々な方の足を拝見して経験を積むにつれ、足を見るとその方の足の悩みや最適な靴が段々見えてくるようになります。さらに、足の知識や靴の知識を身につけると、スムーズに仮説検証しながらフィッティング調整も行えるようになります。

良いも悪いも、ちゃんと 伝えることが肝心。

フィッティングをしていても、お客様がどのように感じているか分かりにくい場合があります。気になることがあってもなんとなくこれでいいかな、という遠慮したフィッティングになり、後日、再調整にご来店いただくこともあります。
気になるところはその都度言っていただければ、それを元に調整を進めていきますので遠慮なくはっきり言っていただいた方がいいかと思います。

遠慮や、我慢は、靴選びには禁物ですよ！
「ぜひ、わがままなくらい、要望を伝えてください！！」

ヒールの高い靴などは、どういったシーンでどれぐらいの時間はくのかなどを伝えていただけるとそれにあったヒールを選ぶことができます。例えば、2、3時間のパーティーや冠婚葬祭で使うものと、一日中仕事で履くようなもの。これらはそれぞれおすすめめできるヒールの高さやフィット感とは変わってきます。特にパンプスやブーツなどは細かな用途も含めて伝えていただけると、シューフィッターもおすすめの靴を選びやすいかと思います。

正しい靴選びを、ごいっしょに。

私はよく接客する時に最初に

1. 何か靴や足のことでお悩みはありますかというような質問をします。
2. そこから今日はどういった靴を探しに来たのか
3. それはどういった使われ方をするのか

ということを順番にお聞きしています。

• 足の悩み=履ける靴
• お客様の求めている靴=履きたい靴

難しい問題ですが、この相対するジレンマの、何を優先するのか。
使用頻度や使用時間などのバランスを考え、最終的にはフィッティング調整でより長い時間履けるように仕上げていきます。

靴屋さんで、この３つを伝えてください。

靴屋さんに伝えてほしいこと

1. 足や靴の悩み
2. 履きたいデザイン、履きたい靴の要望
3. どういった時に履くのか

どの靴屋さんに行っても、この3点を伝えていただけると、お客さまの足の状態を確認しながら最適な靴を選び、それをさらに最適な履き心地に相談しながら仕上げるということができます。

ちなみに、これは私個人のスタンスですが、靴選びやフィッティングは売り手・買い手という立場ではなく、一緒になって、お客様のお気に入りの一足を見つける共同作業だと思っております。押し付けるのではなく、納得のいく一足を一緒に見つけることこそがシューフィッターの仕事なのかなと思います。

AKAISHIストアができること／やっていること

AKAISHIのお店では、スタッフ全員がシューフィッター。
足と靴の知識と技術を持って、ぴったりの靴を履くためのお手伝いをします。