足のお悩み百科

外反母趾に最適な靴選び

この記事の監修者

株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士

靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会

今回のテーマは〈外反母趾に最適な靴〉ということで、靴のタイプ別に特徴や履き方をご紹介したいと思います。

まずは、簡単におさらいをしましょう!

一般的に、外反母趾は、足のアーチの低下による偏平足や開張足が重篤化して起こります。ですから、細めのパンプスを履いていたら「ある日突然外反母趾になる」ということは稀で、知らず知らずの間に偏平足や開張足が進行しており、気づいたら外反母趾というケースが大半だと思います。このような発生のしくみからも、偏平足や開張足の予防・ケアの延長上に外反母趾の予防・ケアがあることをご理解いただけると思います。
では、それらに対応する靴選びのポイントを確認してみましょう。外反母趾の詳しい説明は「外反母趾とは?正しい知識と原因・対策」を参考にしてください。

外反母趾の方の靴選び5つのポイント

Point①
インソールに内側縦アーチ・横アーチがしっかりと付いている。

標準インソールと外反母趾用インソールの違い

外反母趾用のインソールは、足のアーチが崩れている部分を下から支えることで、健康だったころの足のアーチに復元し、足裏の痛みを改善することができます。インソールにある凹凸には、そのような補強の意味があるのです。
また、これは外反母趾用のインソールに施されている工夫なのですが、土踏まずを下から支えるだけでなく、横からも押してあげることで、親指の曲がりをある程度改善することができます。普通のインソールと比べ、土踏まずのサポート感が強いのはそのためです。もし外反母趾用のインソールがない場合は、外反偏平足用のインソールでも代用できます。

このようなインソールを後から入れることもできますが、きつくなったり、サイズ感が変わりやすいという側面もあります。したがって、最初からこのようなインソールが入っている靴を購入することをお勧めします。

Point②
つま先はゆったりで、甲の部分が紐やベルトで調整できる。

「最近はヒールも履かないし、ゆったり目の靴を履くようにしている」とおっしゃる方がいらっしゃいます。しかし、大きすぎる靴を履いている方もいますので、甘やかしすぎは禁物です。

靴紐が作用すると→靴の中では正常な状態に近づく

つま先は幅にある程度余裕を持たせ、甲の部分はしっかりと紐を締めて固定するのが理想です。

紐でしっかりと固定 つま先はある程度の余裕

Point③
足の指に負担をかけないロッカーソール。

外反母趾の場合、親指に負担がかかる靴は禁物です。一般には、屈曲性に優れた靴が推奨されていますが、外反母趾には逆効果。痛みの原因となってしまいます。そこでお勧めしたいのが、ロッカーソール。母趾(親指)を曲げなくても、転がるように歩ける工夫が施されています。
また、外反母趾の方は、足指で蹴り出すことができないので、常に、上り坂を歩いているような負担が足全体にかかります。これを解決するために、少しだけ(1.5~2.5cm)ヒールを高くして、歩行をサポートしてあげることで、「下り坂」のような歩きやすさを得ることができます。

通常の靴のソール

ロッカーソール

Point④
ヒールは高くても4cmまで

ヒール高の違いによる足裏の前後にかかる荷重の割合

足裏の前後にかかる荷重の割合を見ると、50:50のバランスのとれた状態となるのがヒール高2cm。4cm、6cmと上がるにつれて、荷重の負担が前に片寄ってきます。足裏前部に負担を感じない限界は、ヒール高3.5cm~4.0cm程度だと考えられます。
また、みなさんも経験があると思いますが、ヒールが高くなると前滑りするケースが増えてきます。それを考慮した場合も、ヒール高3.5cm~4.0cmくらいが靴選びに失敗しない限界といえます。

Point⑤
大きすぎるサイズを選ばない。(サイズアップする際は、踵脱げにも注意!)

サイズが大きい靴を履くと、靴の中で足が動いてしまいます。すると、足裏の筋や筋膜に余分な負担がかかり、外反母趾の進行を助長したり、痛みが悪化するケースもあります。大きすぎるサイズは控えてください。
また、幅広で外反母趾の痛みのある方がサイズアップする場合は、踵脱げや前滑りが起きる可能性もあります。中敷き(スペーサー)や踵脱げ防止用のクッションなどで予防することをお勧めします。

外反母趾に最適な靴

外反母趾にお勧めの靴には、次のようなものがあります。
インソールがしっかりしていて、つま先がソフト、甲の調整もできるタイプの靴を、ぜひお試しください。

ルームシューズ

603指圧

アーチをサポートとするとともに、クッション性のある材質が、足趾付け根付近のタコや痛みから足裏を保護。

パンプス

152 2WAYパンプス

パンプスの3大苦である母趾の圧迫、足底の痛み、踵浮きで歩きにくいに対応。母趾が圧迫されないゆとりを持ちながらも、フィット感があり歩きやすい。さらに内蔵されているインソールが足底の痛みを軽減。

ウォーキングシューズ

126ウォーキングスニーカー

外反母趾専用のインソール(特許取得)の他、外反母趾でも歩行の蹴り出しが楽にできるソールなど、最も外反母趾に適した靴。

サンダル

408 母趾サポート

アーチサポートに高い効果があるインソール(特許出願)の他、母趾の出っ張りに合わせて、フィッティングを調整できるダブルベルトなど、最も外反母趾に適したサンダル。

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