withコロナの暮らしには「室内履き」が大切です!
この記事の監修者
株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士
靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会
withコロナの生活に、室内履きをおススメする理由についてお話ししたいと思います。
1.くらしの変化、在宅時間が増えたこと
新型コロナの影響で在宅勤務・テレワークがひろがり、在宅時間が増えた方も多いと思います。
ピークは超えたように思えますが、コロナをきっかけに今後の通常業務もリモートで行おうという企業も見られるようになり、モニター調査をみても7月になってもリモートの割合は5割を少々きるくらいとなっています。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2020/8/26プレスリリース
一定の要件の下に「在宅勤務・テレワーク」の1週間あたりの実施日数の変化を表しています。新型コロナウイルス感染症の問題が発生する以前は、7割超が在宅勤務・テレワークを「行っていない」と回答。その割合は5月の第2週にかけて著しく低下し、「在宅勤務・テレワーク」が急速に広がっていきました。5月の最終週以降は「行っていない」 割合が揺り戻し、7月の最終週では「行っている(1日以上計)」割合は半数を下回っています
WithコロナAfterコロナなどと、報じられているように、私たちは新しい生活様式(ニュースタンダード)のもとでくらしていくことになります。これを期に、在宅勤務やテレワークの導入、デジタルシフトによる働き方改革などが加速。学生もオンライン授業、年配の方は感染防止のために巣ごもりを、という流れはしばらく避けられないと考えられます。
今回は、そんな在宅時間の増加に伴い重要になってくる室内履きについてお話ししたいと思います。
ここでかんたんに室内履きの解説をしておきます。
基本的には室内ではく上履き全般を室内履きといっています。
シューズ型、ブーツ型、スリッパ、学校の上靴など、さまざまな種類がありますが、ここではシューズ型のものをルームシューズということにします。
安全性、保温性、衛生的などの機能に優れデザイン性も高く、日本では多くの方が愛用していると思います。
足のトラブル解決のための効果も期待できます。
【ちょっと寄り道】コロナと靴の関係:各国の習慣の違い
本題に入る前に、こんなトピックがありましたのでご紹介したいと思います。
陣内耳鼻咽喉科クリニックの原口先生が、靴を脱ぐ習慣と、各国の死亡率について調査、考察しています。
コロナ感染拡大と靴を脱ぐ習慣について調べた報告です。
これだけで結論を出すことはできないとしながらも、屋内で靴を脱ぐ習慣のある国の新型コロナウイルスによる人口100万人あたりの死者数は靴を履く(脱がない)習慣の国に比べ比較的低いように見られます。
引用:靴をぬぐ文化が実は重要だった?ーコロナウイルス感染症 – 医療法人社団広士会 新中野耳鼻咽喉科クリニック
中国武漢の新型コロナウイルス専門病院の調査では、医療従事者の靴底からコロナウイルスが検出されたとの報告もあります。ハグやキス、シャワーの習慣なども考えられ、これだけが原因とはいえませんが、靴の影響はありそうです……あくまでも、推測ですが。
玄関で靴を脱げば外の汚れを家に持ち込むことを避けられます。英国BBCニュースでも玄関で靴を脱ぐという生活習慣が広まってきていると報じていました。ニューヨークでもマスクをして、屋内で靴を脱ぐ人達が増えているそうです。
ドイツでは足の裏を人に見せるのは失礼にあたるそうですが、玄関で靴を脱ぎルームシューズを履く習慣がある地方もあるそうです。ルームシューズに履き替えるというのはいかにもドイツらしい合理的な考え方です。
2.では、なぜ室内履きが必要なのでしょうか?
フローリングで生活していると…
硬い床の上を裸足で過ごす負担を考えて!
固い床の上を裸足で過ごすことにより、かかとや膝への衝撃が加わり、足に障害を起こす要因となることがあります。しかし、ドイツのようにルームシューズに履き替えることでリスクを予防することが可能になります。
日本はもともと畳の文化なので、室内履きの役割を畳が代用してくれていました。しかし、最近ではフローリングやタイル貼りの家が増えているので、家の中を裸足で歩くことによって知らず知らずの間に外反母趾や中足骨骨頭痛、足底筋膜炎などの愁訴に発展してしまうことも考えられます。
足の悩みがある人なら、なおさら!
アーチサポートは靴を履いてない時も行うべきなのです!
足にトラブルがある場合、例えば扁平足に伴う痛みの予防にはアーチのサポートが必要になります。
靴を履いている時はインソールを用いている方も家の中では裸足のままではありませんか?長時間自宅にいることが多くなった今、自宅でのフットケア習慣としてもアーチサポートは重要になってきます。そのためにも適切な室内履きがかかせません。
年配の方の日常生活動作(ADL)をサポート
合わない室内履きは逆に危険です。
高齢者の場合、フリーサイズのスリッパが足にあわず、躓いたり、歩きづらさによる膝や腰への負担が増えたり、デメリットも考えられます。
3.どんなルームシューズを選べばいいのでしょうか
試し履きをしてください!
- 歩いている時に脱げてしまわないように、甲に調整機能が付いているもしくは抜けない工夫がされているもの。
- 適度につま先が上がることによって、ちょっとした段差につまずかないような工夫がされているもの。
- アーチサポートがついているもの
または、かかとが少しヒールカップの形状になっていることで角質の予防対策がされているもの。
クッション材により踵膝への負担を軽減するものもあります。
選び方のヒント
ルームシューズの場合、歩くことだけでなく、例えば台所仕事など立っている時間も多いため止まっている時のアーチサポートに対する機能も非常に大事になります。
その観点からは、スリッパはただ足をカバーする機能しかないと思ってください。
具体的に選んでみましょう!
シューフィッターがおすすめする年代別のルームシューズの選び方です。
アーチを健康にするものを中心に
20代30代の方
足裏のフィット感で好みに応じて選んでいただいて構わないでしょう。
40~60代の方
外反母趾や中足骨骨頭痛などのアーチの低下が原因の足のトラブルがある方は少しサポートが強めなものを選んでください。
70代以降の方
足の関節間の動き(関節可動域)が20~30代の頃よりも約半分になってしまいますので、アーチのサポートが比較的弱いものを選んでいただくことがポイントです。
無理をしてアーチサポートをするような物を選んでしまうと、ただただ痛いだけということになることもありますのでご注意ください、
細かい理論よりも、履いてみてアーチのサポート感が好みに合っているかどうかを確かめて気に入ったものを選ぶことも大切です。
足にフィットして気持ちが避ければ大きな間違いはないはずです。いろいろ履いて試してみてください。
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