甲高・凹足・ハイアーチ対策と靴選び
この記事の監修者
株式会社AKAISHI 代表取締役 赤石恒一 / 保健学博士
靴医学の権威、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授に師事。専門分野は保健学で、足の悩みの改善や、靴の機能向上のための研究をしている。
【所属学会】日本整形靴技術協会(副会長)、日本靴医学会
「甲高・幅広」とよく言われますが、甲が高い足は必ずしも幅も広いとは限りません。実際、日本人に多いのは、甲が低くて幅の広い足だという調査結果があります。
一般的に甲が高い足は甲高と言われますが、専門的には「ハイアーチ」「凹足」と呼ばれます。
ハイアーチとは、扁平足の反対でアーチ(土踏まず)が異常に高い変形で、合う靴が探しにくい程度のものから専門医の診察を必要とするものまであります。扁平足と比べると、日本ではハイアーチの方は多くはありません。
ハイアーチ(凹足)の原因と見た目の特徴
ハイアーチ(凹足)は遺伝的要因もありますが、多くの場合は筋肉のバランスが悪い事が原因とされています。
ハイアーチ(凹足)の見た目の特徴とチェック方法
1.母趾が底屈している
無理なく自然に直立した状態で、足指の関節を見て、底屈(床方向に曲がること)しているかをチェックする。
2.後足部が内反している
無理なく自然に直立した状態で、かかと内側が出っ張って見えるかをチェックする。
3.足首の動きが制限される。(背屈しにくい)
仰向けになって脚を上げた状態で、足首を背屈する。20度くらいまで曲がるのが正常とされています。
また、人の手で補助してもらうと曲がる角度が増す場合は、筋力不足が疑われます。足首の背屈制限があると、踵を地面につけた状態でしゃがむことができません。
4.土踏まずの位置が高い
フットプリントをするとこんな感じになります。
シューフィッターがいる靴販売店であれば、フットプリントや計測器などで土踏まずの高さを確認してもらうことができます。
※1~4に該当するようであればハイアーチ(凹足)が疑われますので、一度整形外科を受診し相談されることをお薦めします。
ハイアーチの弊害
1.足趾付け根の痛み(中足骨骨頭痛)
足の接地面がほぼつま先の付け根と踵だけになるため、この部分に荷重が集中しやすくなり、炎症が起こりやすくなります。特に、パンプスや底が薄くて硬い靴(ぺたんこ靴など)を履くと、そのリスクが高まります。
2.タコやウオノメができやすい
足趾の付け根に荷重が集中すると、痛みが生じるとともにタコやウオノメもできやすくなります。
ハイアーチ(凹足)では、荷重が外側に偏るため、特に足裏の外側にできやすくなります。
3.足底筋膜炎
ハイアーチ(凹足)は足部の柔軟性が低いため、足底筋膜が緊張しやすくなります。
その結果、筋膜にかかる負担が増し、筋膜が付着する踵に炎症が起こりやすくなります。
4.足首が不安定、捻挫のリスクが高い
足首が内反(踵が外側に傾く)しているため、急な動作の際に足首を外側に捻りやすくなります。
特に、踵の高い靴を履いていると、そのリスクがさらに高まります。
ハイアーチ(凹足)に適した靴選びのポイント
1)靴のタイプ
・甲が高いので、調整できる幅の広い紐靴が好ましい。
・アキレス腱の柔軟性が低い方が多いので、革靴だと靴擦れしやすい。
・ヒールは低く安定感のあるソールが好ましい。
ウォーキングシューズやスニーカー、スポーツサンダルが適しています。
2)インソール
・アーチがサポートされていること。特に縦アーチが重要!
内側縦アーチ
体重がかかっても潰れない構造で、体重がかかった状態でしっかり土踏まずが支えられているかを確認する必要があります。
これが感じられない場合は、アーチの高さが不足しています。シューフィッターに対応してもらえる店であれば、アーチの高さ調整をしてもらえます。
外側縦アーチ
足首の内反(踵が外側に傾く)に対応するために、外側もサポートする必要があります。
クッション性
足裏の踵と足趾付け根に荷重が集中します。特に足趾付け根部分にはクッション性の高い素材が使われているのが望ましいです。
3)ソール
安定性とクッション性
ソールには、負担を減らすためのクッション性も必要ですが、重心が外側に偏らないようにするための安定性も求められます。厚底やヒールタイプはお薦めできません。
蹴り出しを助けるロッカーソール
ハイアーチ(凹足)の方はふくらはぎの筋腱の柔軟性が低い傾向があります。ふくらはぎの筋腱が弱いと、蹴り出しが上手くできません。この動きを助けるロッカー形状(船底形状)のソールが適しています。
ハイアーチ(凹足)にお薦めのAKAISHIの靴
足趾付け根が痛くない場合
足趾付け根が痛い場合
日々のストレッチが効果的
ハイアーチ(凹足)は、筋力のバランスに問題がある場合が多く、アキレス腱やふくらはぎ等に柔軟性が無く疲れやすいという弱点があります。日頃からストレッチを行うことで柔軟性が無くならないようにしましょう。
ハイアーチ(凹足)用のストレッチ
- 壁に手をついて立ちます(背中は伸ばして)
- 足を前後に開きます(つま先は真っ直ぐ)
- かかとが床から離れないように前の膝をゆっくり曲げていきます。ふくらはぎがピーンとしてきたら20秒静止
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