その足のしびれの正体は?「原因」と「場所」から分類します
この記事の監修者
上石神井もりもと脳神経外科 院長 森本大二郎
日本医科大学卒業、医学博士、日本脳神経外科学会認定医、日本脊髄外科学会指導医
脳だけでなく、脊髄や末梢神経の病気まで幅広く診療します。
特に「足の痺れ」に関しては診療実績が豊富で、AKAISHIのアーチサポートスリッパを積極的に診療に取り入れています。
https://morimoto-neuro.com/
足の違和感、しびれ。その正体は?
一口に足のしびれと言っても、例えば、足裏が「ピリピリする」「チリチリする」といったものから「砂利の上を裸足で歩いているような感じがする」と、単に痛いとは言い表せない違和感は、原因に心当たりがない場合が多いためかよけいに気になります。
病院でも、はっきりとした原因が分からないケースもあるようです。では、あなたの痛みの原因は?
あなたの足のしびれる箇所はどこ?疑われるトラブルは?
足根管症候群
足根管症候群とは
しびれの感覚は、足趾や足裏の前足部に生じ、ピリピリ、ジンジンと表現されることが多いです。
その他に、異物付着感、冷感・熱感(ほてり)などといった症状もあります。
- 足の裏にお餅がくっついている感じ
- 素足で砂利道をあるいている感じ
足根管症候群の原因
「内くるぶし」の後ろにある 神経・血管の通り道「足根管」が何らかの原因で狭くなり神経が締め付けされることにより発症します。動脈硬化で蛇行した動脈、拡張した静脈、ガングリオンなどによる神経の締め付け、きつい靴などによる締め付けが原因になる場合もあります。
足根管症候群の見分け方
足の内くるぶしとかかとの間にある動脈のすぐ下を押した時に、足の裏に痛みやしびれが生じるようであれば、足根管症候群の可能性があります。
足根管症候群の対策と予防
気になる症状が現れたら、整形外科や脳神経外科などで足の神経の病気に詳しい医療機関への受診をお勧めします
治療は、足底板装具やアーチサポートサンダルを使用することで、足の負担を軽減させます。痺れに対しては投薬治療を行い、リハビリテーションを含めた保存的治療で改善しない場合には、手術治療(神経剥離術)を行います。
まずは足への負担となるような生活動作や運動などを制限
- 長時間の立ち仕事、1日中歩き詰めの仕事
- 足首に負担のかかるスポーツ 等
足根管症候群に適した履物
踵を固定して土踏まずを支えることで、痛みの元となる足根管に負担がかからないようにします。
1.土踏まずのアーチがサポートされている
踵をしっかり固定できる形状
モートン病
モートン病とは
モートン病とは、足首から指先へ走る神経が、指の付け根の骨の間に挟まって圧迫されたり、足の裏の靱帯に挟まれたりすることで、炎症が起きたり、神経が腫れてコブができることで、しびれや痛みが生じる病気です。
モートン病の原因
- 自分の足に合っていない足幅が狭いヒールのような靴を無理に履き続ける
- 筋肉の衰えによる扁平足
- 中腰の作業などで足のつま先に負担がかかる行動
モートン病の見分け方
モートン病では一本の足趾全体ではなく、隣り合う足趾が向かい合う側にしびれや痛みが生じます。
多いのは第3趾と第4趾の間。第2趾と第3趾の間、第4趾と第5趾の間にも発症することも。
上記の足趾の付け根の中足骨の間を押すと、赤い部分に痛みやしびれが生じます。
足を横から圧迫すると、赤い部分に痛みやしびれが生じたり、強まったりします。
モートン病の対策
気になる症状が現れたら、整形外科や脳神経外科などで足の神経の病気に詳しい医療機関への受診をお勧めします。
足を圧迫するようなきつい靴やハイヒール、足趾付け根の関節を伸展するような姿勢や動作は避けるようにします。
各種の投薬、足底板、神経ブロック治療などの保存的治療で改善しない場合には、手術治療を考慮します。
総腓骨神経障害
総腓骨神経障害とは
足の甲やすねの外側がしびれる場合には「総腓骨(ひこつ)神経障害」の疑いがあります。
総腓骨神経は膝の外側を通る神経で、膝の裏からでた神経が膝の外側の骨が出っ張った部分を通り、そしてすねの外側、足の甲へ伸びていきます。この神経は膝の外側あたりで皮膚の浅い部分を通っているため、外部からの圧迫を受けやすく、圧迫されるとすねの外側や足の甲にしびれが出ます。
総腓骨神経障害の原因
- きついストッキングやハイソックス
- 足を骨折したときにつけるギプス
- 足組みのくせ
- 過度な反復運動(急にジョギングを始めるなど)
この神経は、すねの外側の筋肉にもぐりこむような形で筋肉と隣り合わせになっているため、足組みやジョギングなどの反復運動などでも神経を圧迫してしまうことがあり、しびれが生じる場合があります。
総腓骨神経障害の見分け方
足を伸ばした状態で床に座り、足首を伸ばしたり戻したりする動作を110秒間繰り返します。
すねの外側から足の甲にかけてしびれや痛みなどが現れたら「総腓骨神経障害」の可能性があります。
総腓骨神経障害の対策
気になる症状が現れたら、整形外科や脳神経外科などで足の神経の病気に詳しい医療機関への受診をお勧めします。
足を組んでいた、ストッキングをはいていた、など原因に心当たりがある場合は、それを改めます。痺れに対しては薬物療法を、前脛骨筋の筋力低下が強い場合には足関節装具を装着します。リハビリテーションを含めた保存的治療で症状が改善しない場合には手術治療(神経剥離術)を行います。
糖尿病性神経障害
- かかとを含めた足の裏全体がしびれる
- 足裏に違和感がある(足の裏に紙が貼りついたような感覚)
このような症状があり、糖尿病の疑い、または糖尿病の人は「糖尿病性神経障害」による足のしびれが発生している可能性があります。
初期段階では、しびれの範囲が指先だけや足の裏の前方部分など、足根管症候群とも似ていて紛らわしいことがあります。そのほかにも腰部脊柱管狭窄症などでも同じような範囲がしびれる場合がありますので、整形外科や脳神経外科などで足の神経の病気に詳しい医療機関に相談しましょう。
医療機関では血液検査や触診、画像検査、電気を流して神経機能を確認する検査などを行い、総合的に診断を行います。
この記事の監修者、森本大二郎先生が「足のしびれ」の診療に取り入れているAKAISHIの靴
この記事の監修者
上石神井もりもと脳神経外科 院長 森本大二郎
日本医科大学卒業、医学博士、日本脳神経外科学会認定医、日本脊髄外科学会指導医
脳だけでなく、脊髄や末梢神経の病気まで幅広く診療します。
特に「足の痺れ」に関しては診療実績が豊富で、AKAISHIのアーチサポートスリッパを積極的に診療に取り入れています。
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