第2回 偏平足対策について
(阿部薫教授)
皆さん、こんにちは。今日は偏平足に適した市販のインソールの選び方についてお話しいたします。
まずはよくある失敗例からみていきましょう。
― よくある失敗例
まず1つ目です。インソールを入れたら、靴がきつくなって履けなくなったことはありませんか?インソールが取り外せない場合はその上から入れるしかありませんのできつくなりやすい原因となります。
2つ目にインソールを入れた結果、かえって歩きにくくなった経験はありませんか?靴との相性が悪いと逆に履きにくくなります。例えば、かかとの浅い靴にインソールを使用するとかかとが脱げやすくなります。インソールの効果が発揮されやすい靴は、スニーカーのようにインソールが取り外し可能で、紐やベルトで足と靴のフィッティングを調整できる靴です。逆に取り外しが難しいパンプスのような靴には薄いインソールを選ぶ必要があります。また、靴底が片減りしていたり、かかとの芯が崩れている靴はインソールを入れても効果が期待できません。
― インソール選びのポイント
次に、偏平足用のインソールを選ぶポイントを見ていきましょう。
1つ目は構造がしっかりしていることです。偏平足のサポートは低くなったアーチを持ち上げ、支えることが重要ですが、体重がかかった時でも潰れないように硬い材質で作られていることが必要です。
2つ目は正しい位置を支えることです。アーチは多くの骨で作られているため、これらを構成する骨格を支えることが効果的です。
3つめは外側のアーチも支えることです。かかとを両側から支えることで、靴の中でかかとが安定して足とインソールのフィット感が良くなります。
― まとめ
正しくインソールを選ぶことで、偏平足による足裏の負担を軽くして、これまでよりも楽に歩けるようになります。
【阿部薫 教授 プロフィール】
新潟医療福祉大学 教授
【専門分野】靴医学、靴人間科学、運動機能解剖学、歩行分析学、義肢装具学
【職歴】現在:新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健学専攻義肢装具自立支援学分野長(博士後期課程・修士課程)/リハビリテーション部義肢装具自立支援学科・教授。2009年より同大学院にて、靴とヒトの関係を科学的に研究する「靴人間科学」を担当している。
【社会活動】日本整形靴技術協会会長・理事・編集委員長、日本靴医学会理事・評議員、足と靴と健康協議会理事、台灣足鞋健康協會榮譽顧問